「ほな、次は神生みの話やで。」
「おばあちゃん、神生みって何?」
「伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が、国を生んだ後、今度は神々を次々に生み出した話やねん。」
「神様も生まれてくるんやな!最初にどんな神様が生まれたん?」
「最初に生まれたんが大事忍男(おおこぼくおしを)っちゅう神様やで。その後も次々に神様が生まれてな、石土毘古(いはつちびこ)とか大綿津見(おおわたつみ)、海の神様もおるんやで。」
「海の神様かぁ、どんなんなんやろう?きっと海の中を泳ぐのかな?」
「かもしれへんな(笑)。ほんでな、川とか港を司る神様も生まれたんやで。速秋津比古(はやあきつひこ)と速秋津比売(はやあきつひめ)っちゅうて、川や海を守ってはる神様や。」
「神様も川とか海にちゃんと役割があるんやなぁ。」
「そやで!それに風の神様志那都比古(しなつひこ)や木の神様久久能智(くくのち)も生まれたんや。」
「なんや、ほんまに自然全部に神様がおるんやなぁ。」
「そうやねん。そんでな、山の神様の大山津見(おおやまつみ)と野の神様の鹿屋野比売(かやのひめ)も生まれてな、これがまた次の神々を生み出していくんや。」
「どんな神様が次に生まれたん?」
「次は天之狭土(あめのさづち)や天之闇戸(あめのくらど)っちゅう神様たちやで。どんどん山や霧、闇を司る神様が生まれてくんねん。」
「おばあちゃん、なんかすごい神様ばっかりやなぁ!」
「ほんまにそうやで。でもな、最後に生まれた神様がちょっと問題やってん。それが火之迦具土(ひのかぐつち)言うて、火の神様やねん。」
「火の神様?それも大事やな、何かあったん?」
「そやねん、伊邪那美命がこの火の神様を生んだとき、身体が焼けてもうたんや。ほんでな、伊邪那美命はそのまま病気になってな、結局亡くなってしまうんや。」
「えっ!?伊邪那美命が死んでしまうん?悲しいなぁ…」
「そやねん。伊邪那美命が亡くなったあと、彼女の嘔吐物や糞、尿からも神々が生まれてな、金山毘古(かなやまびこ)や波邇夜須毘古(はにやすびこ)って神様も生まれたんや。」
「神様って、ほんまにいろんなとこから生まれてくるんやなぁ…」
「そうやで。最後に生まれたのが、豊宇気毘売(とようけびめ)っちゅう神様で、これで伊邪那美命が生んだ神様は全部で35神になるんや。」
まとめ:神生みと伊邪那美命の最後
伊邪那岐命と伊邪那美命の二柱の神々は、国を生んだ後に、35の神々を次々と生み出しました。大綿津見や速秋津比古と速秋津比売、志那都比古、久久能智、大山津見など、自然を司る神々が登場し、そして最後に生まれた火之迦具土が伊邪那美命の命を奪うことになったのです。この神話は、命の誕生と共に、自然の神秘と運命の壮大さを描いています。
コメント