
「ばあちゃん、大国主神(おおくにぬしのかみ)はめっちゃ子どもおるんやな!一体どないしてこんなにたくさんの神さんたちを生んだん?」



「そやなぁ、大国主神は色んな神さんと結婚して、たくさんの子どもを生んだんや。最初の奥さんは、多紀理毘売(たきりびめ)っていう神さんやけど、阿遅鉏高日子根(あじすきたかひこね)っていう、賀茂(かも)の大御神として知られてる子を生んだんや。」



「賀茂神社とかの賀茂さん?すごいなぁ、やっぱり有名な神さんばっかりなんやな。」



「そうやで。その次に生まれたのが妹の高比売(たかひめ)や、下照比売(したてるひめ)いう名前も持っとるんや。」



「ええー、名前もいっぱいあって混乱しそうやけどやっぱ神様ってすごいんやな。」



「そやけど、まだまだこれで終わりやないんやで。次の奥さんは、神屋楯比売(かむやたてひめ)やけど、この人との間に生まれた子が事代主(ことしろぬし)や。彼は釣り好きで有名やで。」



「事代主?あ、なんか聞いたことあるわ!えっと…漁の神様やったっけ?」



「そうやな、海の恵みをもたらす神さんや。ほんなら次に、八島牟遅(やしまむじ)の娘である鳥取(ととり)を妻にして生んだのが鳥鳴海(とりなるみ)や。」



「鳥の名前が多いんやな。鳥鳴海っていう神様なんかおもしろそうな名前やなぁ。」



「それだけやあらへんで。次の妻は、日名照額田毘道男伊許知邇(ひなてるぬかたびちおいこちに)やけど、この二人から生まれたのが国忍富(くにおしとみ)や。さらに、その次の妻は葦那陀迦(あしなだか)や。この二人の子が速甕之多気佐波夜遅奴美(はやみかのたけさはやじぬみ)や。」



「なんか、名前がどんどん難しくなってくるなぁ。でも、たくさんの神様がおるってことはそれぞれ役割があるんやろな。」



「そうやねん。それぞれの神様が自然や生活に関連する役割を持っとるんや。天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)の娘である前玉比売(さきたまひめ)との間には、甕主日子(みかぬしひこ)を生んだんや。」



「ふむふむ、名前がだんだん覚えられへんけど、いろんな神さんが活躍してるんやな。」



「最後のほうやと、若尽女(わかつくしめ)や天狭霧(あめのさぎり)の娘との間にも子どもをもうけてそれぞれが自分の役割を果たしておるんや。これらの神々を、十七世(とおまりななよ)の神って言うんやで。」



「へぇ、十七世っていったらめっちゃ長い歴史みたいやな。」



「そやねん、これだけ多くの神々がいてそれぞれの血筋や役割があって、古代から続いてるんや。」



「なんか壮大やなぁ。でも、これ聞いたらもっと神話の世界が身近に感じるわ。」



「それが神話のええところやねん。人間と同じように家族があって、葛藤があってでもみんな力を合わせて生きていくんや。」



「なるほどなぁ。これからも色々教えてなばあちゃん!」



「もちろんやで。」
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