「さて、須佐之男命が邪心がないゆうても天照大御神は簡単には信じへんかったんや。『そやけど、どうやってほんまに邪心がないか確かめたらええんやろ?』って天照大御神が聞いたんや。」
「そりゃちょっと信じがたいわな。でもどうやって証明するん?」
「須佐之男命は、『ほんなら誓約(うけひ)して子供を生んでみまひょ』って提案したんや。つまり、誓いを立ててお互いの持ち物を使って神様を生み出すってことやねん。」
「へぇ~、神様同士でそんなことするんや!」
「そやねん。まず、天照大御神が須佐之男命の剣を受け取ってそれを三つに折って水で洗い清めたんや。そして、それを噛んで息をふーっと吹き出したらその霧から女神が三柱(みはしら)も生まれたんや。最初の女神は多紀理毘売(たきりびめ)、次は市杵島比売(いちきしまひめ)、最後が多岐都比売(たきつひめ)やってん。」
「すごい!それで須佐之男命はどうしたん?」
「次は須佐之男命の番や。天照大御神の勾玉(まがたま)を受け取ってそれを同じように水で洗って噛み砕いて息をふーっと吐いたら、今度は五柱(いつはしら)の男神が生まれたんや。その中でも最初に生まれた神様が正勝吾勝勝速日天之忍穂耳(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみ)って言うてな、ちょっと長い名前やけど強そうな神様やで。」
「五柱も!なんかどっちもすごい力を持ってるんやな。」
「そうやねん。それで天照大御神がこう言ったんや。『今生まれた五柱の男の子は、私の勾玉から生まれたから私の子や。一方、先に生まれた三柱の女の子は、須佐之男の剣から生まれたから須佐之男の子や』って。」
「なるほど!それでちゃんと分けたんやな。」
「そうそう。それから、この女神たちは宗像神社(むなかたじんじゃ)に祀られてて宗像君たちが大切にしてるんやで。」
「宗像神社?なんか聞いたことあるけどどこにあるん?」
「宗像神社は九州の福岡にあるんや。沖津宮(おきつのみや)、中津宮(なかつのみや)、辺津宮(へつのみや)っていう三つの宮に分かれて祀られてるんやで。」
「へぇ~、そんなところにも神様が祀られてるんやな。」
「そやで。そして、後で生まれた五柱の男神たちも色んな国の祖神(おやがみ)として、日本各地に祀られてるんや。例えば、天之菩卑(あめのほひ)は出雲や武蔵、その他の国々の祖神やしアマツヒコネは周芳(すおう)とか道尻岐閇(みちのしりきへ)の国の祖神やねん。」
「つまり、神様が日本中の色んな場所に関わってるんやな。面白いなぁ。」
「そうやろ?日本の神話はほんまに奥が深いんやで。これからも色んな神様の話楽しみにしててな。」
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