「ではでは、次のお話は八千矛神(やちほこのかみ)いう大国主命(おおくにぬしのみこと)が、沼河比売(ぬなかわひめ)に求婚する話やで。」
「ふーん、どんな風に求婚したん?そないに有名な神さんやったら
いっつもモテモテやったんちゃう?」
「せやな、けど今回は特別やで。八千矛神は遠い越の国に美しい
沼河比売がおるって聞いてわざわざお出かけになったんや。
家に着いたとき、八千矛神は歌を詠んだんや。」
「歌うたったんか!それで、その歌が効いたん?」
「そうやな、でも沼河比売はすぐには戸を開けへんかってん。中からまた歌を返してきたんや。」
「へぇ~、まるで恋歌バトルやな!沼河比売も結構しっかりした女性やったんやな。」
「そやで。彼女もなよなよしとらんで、自分の気持ちをしっかり伝えたんや。『まだ戸を開けへんけど、いずれあなたのお心に従いますよ』ってな。」
「やっぱ、八千矛神はモテモテやん!」
「そやけど、正妻の須勢理毘売(すせりびめ)がめっちゃ嫉妬深い神さんやったから、八千矛神も頭悩ませとったんや。」
「なんか大変そうやな~。正妻の前でええカッコしてられへんもんな。」
「うん、その後八千矛神は出雲から大和に旅立つことになって、須勢理毘売に歌を残して旅に出てんや。」
「でも、沼河比売との恋はどうなったん?須勢理毘売にバレたらヤバそうやけど…」
「まぁ、そこは神様やから、最終的には須勢理毘売と杯を交わして互いに理解し合ったんや。愛情深い夫婦として今も鎮座してはるんやで。」
「そうか、なんや複雑な話やけど最後はハッピーエンドなんやな。」
「せや。神々の世界でも、いろいろな葛藤があるんやけど最後は心を通わせることが大切やってことやな。」
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