「ばあちゃん、大国主神(おおくにぬしのかみ)が海の波の上で不思議な船に乗った神さんに出会ったって話やろ?それってどんな神さんやったん?」
「それはな、少名毘古那(すくなびこな)っていう神さんやねん。彼はめっちゃちっちゃい神様でな、ガガイモの莢の船に乗って、蛾の皮を着てやって来たんや。なんか可愛らしいけど、めっちゃ大事な神様やで。」
「えぇー!?めっちゃ小さな神様が、大国主と一緒に国を作ったんか?それ、すごいなぁ!」
「そうやで。大国主神が最初に出会ったとき、誰もこの神さんの名前を知らんかってん。せやけど、蝦蟇(がま)が久延毘古(くえびこ)なら知っとるかも言うたんや。それで久延毘古に聞いたらこの神は神産巣日(かむむすひ)の御子、少名毘古那やってことが分かったんや。」
「久延毘古?それって案山子の神様やんね?案山子やのになんでそんなに詳しいん?」
「そうそう、久延毘古は案山子やけど、天下の全てを知ってる神さんなんや。自分では歩けへんけど知識はすごいんやで。」
「なんや、不思議な世界やなぁ。案山子が何でも知ってるって、めっちゃおもしろいやん!」
「ほんで、大国主神と少名毘古那神が力を合わせてこの国を作り固めたんや。その後、少名毘古那神は常世国(とこよのくに)へ渡ってしもうたんやけどな。」
「常世国?それって、なんか遠い世界やんな?戻ってけえへんの?」
「そやね、常世国は不老不死の国やから少名毘古那神はそこへ行ってしもうたんや。でも、それまでは大国主神と一緒に頑張ってくれたんやで。」
「へぇ…そう聞くと、少名毘古那神って小さいけどめっちゃ重要な神さんやったんやなぁ。」
「そやで、サイズは小さくても、役割は大きかったんや。ほんで、大国主神が一人で国作りに悩んでたときにまた別の神さんが海からやって来たんや。」
「また神様が現れたんか?それはどんな神様やったん?」
「その神さんは、御魂(みたま)を丁重にお祭りしたら、一緒に国作りを助けてくれるって言うたんや。ほんで、大国主神は『どうやってお祭りしたらええんですか?』って聞いたら『大和(やまと)の山々の東の山の上に斎み清めて祭りなさい』って教えてくれたんや。それが御諸山(みもろやま)の神様やねん。」
「なるほどなぁ、御魂をちゃんと祭りなさいってことやったんやな。それで国作りが完成したん?」
「そうやで。御諸山の神様のお力も借りて、ついに国作りが完成したんや。大国主神は、色んな神様の助けを得て日本をしっかり作り上げたんやで。」
「へぇ…神様同士もチームワークが大事なんやなぁ。」
「そやで、みんなが力を合わせることで、偉業を成し遂げるんや。それが神話の教えの一つやねん。」
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