㉓建御雷神と事代主神

「ばあちゃん、天照大御神(あまてらすおおみかみ)って、国をどうするか悩んでたんやな。」

「そやねん。天照大御神がな、葦原中国(あしはらなかつくに)を誰に任せるか迷っとったんや。そこで、神々に相談して、まずは天之尾羽張(あめのおはばり)を遣わそうってことになったんや。」

「でも、天之尾羽張は自分じゃなくて、子供の建御雷(たけみかづち)を遣わせたんやろ?」

「そうやねん。天之尾羽張は自分より息子の建御雷の方がふさわしい言うて、建御雷を遣わせることにしたんや。それで天鳥船神(あめのとりふね)と一緒に葦原中国に向かうんやけどな。」

「建御雷、めっちゃ強そうやなぁ。剣を逆さまに刺して、その上に座るとかカッコええわ。」

「そやろ?その勇ましい姿で、大国主(おおくにぬし)に国を譲るように問いかけたんや。『この葦原中国は、天照大御神の御子が治めるべき国や。お前の考えはどうや?』ってな。」

「で、大国主はどう答えたん?」

「大国主はな、自分じゃ答えられへんって言うて、息子の事代主(ことしろぬし)に任せたんやけど、事代主はそのとき鳥狩りと漁に出かけてて、すぐには帰ってこーへんかったんや。」

「なんや、えらい悠長やなぁ。で、どうなったん?」

「天鳥船神が事代主を呼びに行ってな、事代主はすぐに帰ってきて『この国は天つ神の御子にお譲りします』って言うて納得したんや。そして、そのまま乗ってた船を傾けて、船を青葉の柴垣(しばがき)に変えてその中に籠もってしまったんや。」

「船を柴垣に変えるって、どういうことなん?」

「それはな、事代主がもう世俗から離れて、静かに神としての役目を果たす決意を示したんや。そうして葦原中国は天つ神のものになったんやで。」

「事代主って、ほんまに潔いなぁ。自分から国を譲るなんて、普通できへんやろ。」

「そやな。でも、それが神様の覚悟やったんや。事代主が国を譲ったことで、天つ神の御子がこの国を治めることになったんやから大きな決断やったんやで。」

「うん、なんかすごいな…。神様同士でもこんなドラマがあったんやな。次はどんな話が聞けるん?」

「次はもっと面白い話が待ってるで。神様同士の戦いやら、神秘的な出来事もいっぱいあるんやから楽しみにしときや。」

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この記事を書いた人

- 名前: トシ
- 年齢: 1965生まれ
- 職業: フリーランス
- 出身地: 大阪
-「神社巡り400社以上達成、御朱印収集と旅の楽しさをブログで発信」

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