八上姫の選択と八十神の怒り
🗺️ 登場人物の相関図

「おばあちゃん、八上姫は結局誰と結婚したん?」



「八上姫はな、八十神たちの求婚を全部断って『わたしは大穴牟遅と結婚するんや』って言うたんやで。それ聞いた八十神たちは、もうめちゃくちゃ怒ってしもてな、大穴牟遅を殺そうと企み始めたんや。」



「うわっ!怖い話やなぁ。どうやって殺そうとしたん?」
一度目の試練:焼けた石による死



まずな、八十神たちは伯耆国の手間山っていうとこに大穴牟遅を連れていってな、こんな風に言うたんや。『この山には赤い猪がおる。それをわしらが追い下ろしたらお前は下で待ち受けて捕まえろや。もし捕まえへんかったらお前を殺すぞ』ってな。



「そんなん無理やん!赤い猪なんか…。」



「ほんまになぁ。けどな、実は赤い猪やのうて焼けた大石やったんや。それを火で熱してから山から転がし落としてきてな、大穴牟遅はそれを捕まえようとして焼け石に焼かれて死んでしまったんや。」



「ひどすぎる!ほんまに大穴牟遅は死んでもうたん?」
二柱の女神による蘇生



「大穴牟遅の母ちゃんが悲しんでな、高天原に上って神産巣日の命に助けを求めたんや。それで、刮貝比売と蛤貝比売っていう二人の女神が、大穴牟遅を治療しに来てくれたんやで。」



「どんな治療をしたん?」



「刮貝比売は貝殻を削って粉にしてな、蛤貝比売はそれを蛤の汁で溶いたんや。それを塗ったら、大穴牟遅は元通り元気になって立ち上がったんやで!」



「おお!すげ〜助かったんやな。」
二度目の試練:木に挟まれての死



「そやけどな、それで終わらんねん。八十神たちはまた大穴牟遅をだまして、今度は山に連れ込んで大木の間に押し込んで楔を引き抜いて木に挟ませてまた殺してしもたんや。」



「えっ、また死んでもうたん?」



「そうや。でも、母ちゃんがまた泣きながら探し出してなんとか大穴牟遅を木から取り出してもう一度復活させたんや。」



「大穴牟遅すごいな、何回も死んで生き返るんやなぁ…。」
紀伊国への避難、そして須佐之男命のもとへ



「ほんまにな。けど、もうここにおったら命が危ないからって、母ちゃんが大穴牟遅を紀伊国の大屋毘古神のところに送ったんや。」



「それで八十神たちはどうなったん?」



「八十神たちはな、また追いかけてきて、大屋毘古神に『大穴牟遅を引き渡せ』って言うたんやけど、大屋毘古神は木の間に大穴牟遅を逃がしてな『須佐之男命がいる根の根の堅州国に行け』って教えてくれたんや。」
まとめ
八十神の迫害は、嫉妬と妬みの恐ろしさを描いた神話です。大穴牟遅は何度も殺されかけますが、その都度母の助けと神々の力で復活を果たし最終的には須佐之男命の元へ向かいます。この物語は、困難な状況に直面しても希望を失わずに戦い続けることの大切さを教えてくれます。
今日のかみさま
| 名前 | 読み方 | 役割 |
|---|---|---|
| 大穴牟遅 | おおなむじ | 主人公。八十神に二度も殺されかけるが、助けを得て生き延びる(のちの大国主神) |
| 八十神 | やそがみ | 大穴牟遅の兄弟にあたる神々。嫉妬から大穴牟遅を迫害する |
| 八上姫 | やがみひめ | 八十神の求婚を断り、大穴牟遅との結婚を約束した姫 |
| 刮貝比売・蛤貝比売 | きさがひひめ・うむぎひめ | 焼け石で死んだ大穴牟遅の傷を治療し、蘇生させた二柱の女神 |
| 大屋毘古神 | おおやびこのかみ | 紀伊国で大穴牟遅をかくまい、逃げ道を教えた神 |
| 須佐之男命 | すさのおのみこと | 大穴牟遅が最後に逃げ込んだ先の神。この後の物語で試練を与える |









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