「ばあちゃん、天孫降臨(てんそんこうりん)ってどういう話やったん?」
「おお、天孫降臨か!それはな、邇邇芸命(ににぎのみこと)が天から降りてきて、この地を治めることになった話やで。」
「なんで邇邇芸命が降りてきたん?」
「天照大御神(あまてらすおおみかみ)と高木(たかぎ)神がな、五つの部族の首長や神々を集めて、葦原中国(あしはらなかつくに)を平定するために送り出したんや。彼らが持ってきたんは、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)や、八咫鏡(やたのかがみ)、草那芸之剣(くさなぎのつるぎ)といった大切な神具やねん。」
「なるほど!その神具って、めっちゃ大事なものなんやな?」
「せやで!天照大御神は、その鏡を『わしの魂やと思うて、大事に祭りなさい』って言うてたんや。」
「鏡が魂って、なんか深い意味がありそうやなぁ。」
「そうやな。鏡は神様を見るための象徴でもあるし、神様そのものやからな。そして、この鏡と一緒に他の神具も天降りに必要なもんとして持たされたんや。」
「へぇ~。それで、邇邇芸命はどこに降りてきたん?」
「邇邇芸命はな、高千穂(たかちほ)の霊峰に降り立ったんや。そのとき、天から道が開けて、彼が浮橋(うきはし)を渡って島に降りたんやで。」
「それで、その土地を見てどう思ったん?」
「邇邇芸命はな、『この土地は韓国(からくに)に向かい合って、朝日はまっすぐ差し、夕日は輝いて見える。ほんまにええ国や』って言うたんや。」
「それって、なんかすごい景色が広がってそうやな!」
「そうやで!そこに、地底の磐石(ばんじゃく)に宮柱を太く立てて、空に千木(ちぎ)を高くそびえさせた、壮大な宮殿を建てて住んだんや。」
「へぇ~、それが邇邇芸命の新しい家なんやなぁ。」
「そうやねん。ここから、彼の子孫たちが日本の国を治めていくんや。それが、天孫降臨の話の大事なところやな。」
「ほんまにすごい話やなぁ。天から降りてきて、国を治めるって、かっこええわ!」
「そやろ?日本の神話には、こういう偉大な話がぎょうさん詰まっとるんやで。」
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