わが子カグツチを斬った伊邪那岐命。その剣についた血から八柱の神が、亡骸からは山の神々が生まれます。悲しみの中から新しい命が生まれる不思議を、おばあちゃんと孫の会話でやさしく解説します。

⚔️ 剣と死体から生まれた神々

「ほんでな、イザナギさんは、『可愛い妻をひとりの子に代えてまうなんて、ほんまに信じられへん…』って泣き崩れてしもたんや。」



「うわぁ、悲しい話やなぁ…。それで?」



「その涙な、地面に落ちた時、そこから神様が現れたんやで。その神様の名前は泣沢女言うて、香具山のふもとにおるんや。」



「涙から神様が出てくるなんて…これも神秘的やな!」



「そやろ。ほんでな、イザナミさんが亡くなった後、彼女は出雲の国と伯耆の国の境目にある比婆山に葬られたんや。」



「お葬式までしてあげたんやね。」





「そやけどな、イザナギさんは悲しみを怒りに変えて、腰に佩いとった十拳剣を抜いて、カグツチの首をズバッと斬ってしもたんや。」



「えぇっ!?自分の子を斬ってしもたん!?なんで…?」



「それはな、カグツチが火の神やから、イザナミさんを焼いてしまう原因やったからや。」



「それで怒って斬ったんやな…。」



「そおや。ほんで、その剣から飛び散った血が、神聖な岩に当たってな、新しい神が次々と生まれたんや。まずは石折と根折、そして石筒之男っていう三神や。」



「血からも神様が出てくるんや…すごいなぁ。」



「それだけやないで!剣の刃からも神が生まれたんや。甕速日、樋速日、そして武御雷之男いうて、これら三神も生まれたんや。」



「名前がめっちゃかっこええな!それで、まだ他におるん?」



「まだまだおるでぇ!剣の柄に溜まった血からは、闇淤加美と闇御津羽が生まれたんや。これで剣から生まれた神々が八神や。」



「八神も生まれるなんて、その剣ってほんまにすごいなぁ。」



「ほんでな、カグツチの頭からも神が生まれてん。それが正鹿山津見で、他にも胸、腹、手足、体の各部分からも、いろんな山の神々が生まれてんねん。」



「カグツチからも神様が生まれるんやな。ほんで、イザナギさんが使った剣の名前ってなんやったん?」



「その剣の名前な、天之尾羽張言うんや。別の名を伊都之尾羽張ともいうねん。」



「めっちゃ強そうな名前やな…。」



「そやなぁ。イザナギさんがその剣でカグツチを討ったことで、たくさんの神々が生まれてんねん。この話、ほんまにすごいやろ?」



「うん、すごすぎてちょっと頭ぐちゃぐちゃなってきたけど、神話っておもろいなぁ!」
今日のかみさま
| 名前 | 読み方 | 役割 |
|---|---|---|
| 泣沢女 | なきさわめ | イザナギの涙から生まれた神様。香具山のふもとにいる |
| 石折・根折・石筒之男 | いわさく・ねさく・いわつつのお | 剣の切っ先の血が岩に飛び散って生まれた3柱の神様 |
| 甕速日・樋速日・武御雷之男 | みかはやひ・ひはやひ・たけみかづちのお | 剣の刃についた血から生まれた3柱の神様 |
| 闇淤加美・闇御津羽 | くらおかみ・くらみつは | 剣の柄に溜まった血から生まれた2柱の神様 |
| 正鹿山津見 | まさかやまつみ | カグツチの頭から生まれた山の神様 |
| 天之尾羽張(伊都之尾羽張) | あめのおはばり(いつのおはばり) | イザナギがカグツチを斬った剣の名前 |









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